This file documents SEMI-EPG, a MIME user interface for GNU Emacs.
GNU Emacs 用の MIME user interface である SEMI-EPG について説明します。
SEMI は GNU Emacs 用の MIME user interface を提供する package です。 SEMI-EPG は SEMI のバリアントの一つで、 EasyPG や最新バージョンの Emacs への対応などを特徴とします。
SEMI が提供する MIME user interface は MIME-View と MIME-Edit からなりま す。
MIME-View は MIME や STD 11 および『地域化された RFC 822』message を表示 したり、操作したりするための user interface の中核です。
MIME-Edit は MIME message を生成するための user interface です。
各 MUA でこれらの機能を利用することにより、高度な MIME 機能を利用するこ とができます。
MIME-View は GNU Emacs で動作する汎用的な MIME viewer です。
MIME-View は MIME message を閲覧するための利用者界面 (user interface) の核であり、この上で presentation-method と呼ばれる表示を作るプログラム を動かしたり、acting-method と呼ばれる entity の処理プログラムを動かす ことが可能で、さまざまな種類の entity を扱う事ができるようになっています。
Internet の電子書簡・ネットニュースなどの書面 (message) の表現形式は STD 11 に基づいています。STD 11 の書面本体 (message body) は行を唯一の構造と する簡易文面 (plain text) であり、文字符号も us-ascii と定められています。 実際には、文字符号を us-ascii の代わりにその言語圏で用いられる文字符号と した『地域化された STD 11』書面も用いられてきましたが、この場合も書面の 文字符号は1つです。このため、利用者界面 (Message User Agent) は、しばし ば、byte 列 = us-ascii 文字列、ないしは、byte 列 = その言語圏で用いる文 字符号の文字列のように見倣してきました。
しかしながら、MIME では書面は entity を単位とする木構造になり、また、1 つの書面で複数の文字符号を用いることができます。また、entity の内容は文 面や絵のような単純に表示可能なものだけでなく、音声や動画などの一定時間再 生されるようなものや特定のアプリケーションのデータやプログラムのソース、 あるいは、ftp や mail service の利用法や URL といった形で表された外部参 照などのさまざまなものが考えらます。このため、表示だけを考えていた STD 11 における利用者界面の単純な延長では MIME の全ての機能を扱うことはでき ません。つまり、MIME の形式に合わせて復号するだけでは不十分であり、利用 者との対話的な再生処理を考慮する必要があります。MIME 書面の形式は自動処 理がしやすく設計されていますが、MIME 書面に含まれる内容の中にはセキュリ ティー上の問題から自動処理をするべきでないものがあり、こういったものの再 生に関しては利用者の判断を仰ぐように設計されるべきでしょう。結局、MIME 書面を扱うためには STD 11 および MIME の構文で記述されたメッセージの情報 交換用表現とその解釈結果である表示画面や再生等の処理を区別して考える必要 があります。また、利用者との対話的な再生処理が必要です。
このため、MIME-View は1つの書面に対して、情報交換用表現を格納する mime-raw-buffer と表示用表現を格納する mime-preview-buffer の2つの buffer を用います。
MIME-View は mime-preview-buffer に対して mime-view-mode という MIME message を閲覧するための mode を提供します。利用者はここで各 entity に 対して操作を行うことができます。
mime-view-mode では各 entity に対して
[entity-button] (header) (body) (separator)
という情報を表示します。これらは条件に従って design を変更したり、表示 を抑制することもできます。
以下に、表示例を示します。
From: morioka@jaist.ac.jp (守岡 知彦 / MORIOKA Tomohiko) Subject: Re: 質問? Newsgroups: zxr.message.mime Date: 22 Oct 93 11:02:44 Mime-Version: 1.0 Organization: Japan Advanced Institute of Science and Technology, Ishikawa, Japan [1 (text/plain)] MIME-Edit mode における、MIME message の作り方。 C-c C-x ? を押すと help が出てくる。 C-c C-x C-t insert a text message. C-c C-x TAB insert a (binary) file. C-c C-x C-e insert a reference to external body. C-c C-x C-v insert a voice message. C-c C-x C-y insert a mail or news message. C-c C-x RET insert a mail message. C-c C-x C-s insert a signature file at end. C-c C-x t insert a new MIME tag. C-c C-m C-a enclose as multipart/alternative. C-c C-m C-p enclose as multipart/parallel. C-c C-m C-m enclose as multipart/mixed. C-c C-m C-d enclose as multipart/digest. C-c C-m C-s enclose as PGP signed. C-c C-m C-e enclose as PGP encrypted. C-c C-x C-k insert PGP public key. C-c C-x p preview editing MIME message. ... って訳で、C-c C-x C-i を押して、挿入したい binary file を指定します。 binary file の MIME encoding には、普通、Base64 を指定します。 [2 (image/gif)] [3 (text/plain)] こんな風に、絵入り message のでき上がり。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ロシアン・ティーを一杯。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 〓〓〓〓〓 ☆ ジャムではなくマーマレードでもなく蜂蜜で ☆ 〓〓〓〓〓 〓〓〓〓〓 МОРいОКА ТОМОХИКО 〓〓〓〓〓 〓〓〓〓〓〓〓 Internet E-mail: <morioka@jaist.ac.jp> 〓〓〓〓〓〓〓
entity-button は entity の先頭にあって、その entity に関する大 まかな情報を表示する部分です。
標準では
[1.3 test (text/plain)]
のような感じに表示されます。
最初の数字は message 中のこの entity の位置を節番号のように表したもので、 entity-number と呼びます。
2番目の文字列は表題を表します。この情報は、
から作ります。どれも存在しない場合は空白が表示されます。
3番目の括弧の中の情報はその entity の media-type/subtype を表します。非
MIME entity の場合、nil
が表示されます。
この entity-button は entity の内容を象徴する icon のような役割を果た します。例えば、
[2 (image/gif)]
の上で v を押せばここに入っている絵が表示されます。
また、mouse 操作が可能な場合、entity-button を第2ボタン(3 button mouse の場合、中央のボタン)で押せば、同様にその絵が表示されます。
entity-body は part の内容を表示する部分です。
これもひねりが足りないですが、まあ、そういうもんです。
とはいえ、実際には少しひねってます。
text entity の場合は charset に応じて code 変換したりしますし、XEmacs で は image entity を変換しないといけないし。
詳しくはまた後で。
mime-preview-buffer には以下の機能があります。
上の part に戻る(message の一番上の part でこれを行なうと Summary mode に戻る (*1))
前の part に移動する
前の part に移動する
次の part に移動する
次の part に移動する
scroll up する
scroll down する
scroll down する
次の行に移動する
前の行に移動する
part を再生する (*2)
part から file を取り出す (*2)
part を印刷する (*2)
preview-buffer 中の mouse button を起動する
content-button を押せば、その part が再生される(*2)
URL-button を押せば、その WWW browser が起動される
[注意]
(*1) MUA で mime-view の設定をしていない場合、Summary mode には戻りませ ん。
(*2) 実際の動作は対応する method に依ります。
MIME-Edit は GNU Emacs で動作する汎用的な MIME composer です。
mime-edit-mode は MIME message を作成するための minor-mode です。 この mode では tag を使ってさまざまな種類の data を表現し、さま ざまな種類の data からなる複数の部分からなる message を編集することを可 能にしています。
tag には
の2つがあります。
single-part tag は single part を表現するための tag で、
--[[TYPE/SUBTYPE;PARAMETERS OPTIONAL-FIELDS][ENCODING]]
というような形をしています。
TYPE/SUBTYPE および PARAMETERS は Content-Type (Content-Type in FLIM 説明書) 欄の type/subtype および parameters を表します。 TYPE/SUBTYPE は必須であり、PARAMETERS は省略可です。
ENCODING は Content-Transfer-Encoding (Content-Transfer-Encoding in FLIM 説明書) 欄を表しま す。これも省略可です。
OPTIONAL-FIELDS は Content-Type, Content-Transfer-Encoding 以外の field を書くための部分で、省略可です。
multi-part tag は multi part を表現するための tag で、
--<<TYPE>>-@{
という形の multi-part 開始 tag と呼ばれる multi part の開始を示す tag と
--@}-<<TYPE>>
という形の multi-part 終了 tag と呼ばれる multi part の終了を示す tag があります。
また、multi-part 開始 tag と multi-part 終了 tag で囲まれた部分を enclosure と呼びます。
single-part を作るための操作には以下のようなものがあります。
text part を表す single-part tag を挿入します。
file を MIME part として添付します。前に C-u を付けた場合、常に media-type, subtype 等を聞いて来ます。(cf. 挿入される file に対する tag の決定)
external part を挿入します。
C-g が押されるまで録音を行い、音声 part を挿入します。(使 用できない場合があります)
現在表示中の (mail or news) message を挿入します。(実際の動作は使用し ている MUA に依存します)
mail message を挿入します。
signature を挿入します。
PGP (PGP) の公開鍵を挿入します。
任意の single-part tag を挿入します。
enclosure を作るための操作としては以下のようなものがあります。
指定した region を multipart/alternative として囲みます。
指定した region を multipart/parallel として囲みます。
指定した region を multipart/mixed として囲みます。
指定した region を multipart/digest として囲みます。
指定した region に電子署名を行います。(cf. PGP)
指定した region を暗号化します。(cf. PGP)
指定した region 内の tag を無効にし、その tag を文字列として利用できる ようにします。(現在の版ではうまく働かないことがあります。また、電子署 名との併用に関しても不完全です)
mime-edit-mode におけるその他の操作を説明します。
編集中の message を送信します。
編集中の message を preview します。(cf. MIME message の閲覧)
編集中の message を送信することなく、mime-edit-mode を終了します。
大きな message を送信する場合に message/partial 形式に自動分割可能とす るかどうかを決めます。
transfer level (transfer level) を 7bit (7bit in FLIM 説明書) にします。
transfer level (transfer level) を 8bit (8bit in FLIM 説明書) にします。
message 全体を電子署名するかどうかを決めます。(cf. PGP)
message 全体を暗号化するかどうかを決めます。(cf. PGP)
help message を表示します。
C-c C-x C-i (mime-edit-insert-file
) を実行した時、挿入され
る file に対する media-type や encoding などの tag の情報は変数
mime-file-types
によって file 名から推測されます。
前に C-u を付けた時、および、適当な値が見付からなかった場合、user に対して値の入力を促します。(前に C-u を付けた時、推測された値が 既定値として用いられます)
file 名に対する既定値を変えたい場合は変数 mime-file-types
を設定して下さい。
挿入される file の file 名に対する tag の既定値を与える。
この変数は
(FILE_PAT TYPE SUBTYPE PARAMS ENCODING DISPOSITION_TYPE DISPOSITION_PARAMS)
という list の list で、各要素は以下の通りである:
file 名を表す正規表現
media type
media subtype
Content-Type field の parameter
Content-Transfer-Encoding
disposition-type
Content-Disposition field の parameter
設定例: *.rtf に対する media type を application/rtf に する場合
(eval-after-load "mime-edit" '(set-alist 'mime-file-types "\\.rtf$" '("application" "rtf" nil nil "attachment" (("filename" . file))) ))
message に挿入する data は 7bit (7bit in FLIM 説明書) ないし 8bit (8bit in FLIM 説明書) もしくは binary (binary in FLIM 説明書) で表現することができます。
よって、7bit しか通さない MTA (MTA in FLIM 説明書) を経 由する場合、7bit の data はそのままで送れますが、8bit や binary の data は 7bit に変換しなければなりません。
同様に、8bit しか通さない MTA を経由する場合、7bit や 8bit の data はそ のままで送れますが、binary の data は 7bit か 8bit に変換しなければなり ません。
[Memo]
EBCDIC しか通さない MTA を経由する場合、7bit の data も base64 等で変 換しないと送れませんが、私は EBCDIC のことまでは知りません。(^_^;
同様に、制御文字を通さない MTA のことや code 変換を行なう MTA も消えてな くなって欲しいです。(^_^;
binary も通す MTA も存在するんでしょうが、今のところあまり一般的とはいえ ないでしょう。
transfer level というのはどの範囲の data まで送れるか
ということを表すものです。mime-edit は
mime-transfer-level
という変数を持っており、これで
transfer level を表現します。
transfer level を表す。
ある data の transfer level がこの値を越える場合、7bit data への変換が行 われる。
現在のところ、7 か 8 が有効である。既定値は 7 である。
EBCDIC を 5, ASCII printable のみを 6, binary を 9 とすることを計画して いるが、実装の予定はない。
[Memo]
transfer level は message header (entity-header) には関係しない。 MIME は body において、8bit の data を使えるように STD 11 (STD 11 in FLIM 説明書) を拡張しているが、message header では us-ascii (us-ascii in FLIM 説明書) のみを用いることを求 めている。
Non-nil ならば大きなメッセージを分割して送信します。
メッセージの最大行数のデフォルト値です。
メジャーモード対メッセージの最大行数から成る連想リストです。
メジャーモードがここで指定されてない場合には
mime-edit-message-default-max-lines
を用います。
分割送信の際に無視されるフィールド名にマッチする正規表現です。
mime-edit では EasyPG を利用した PGP/MIME (RFC 3156) による暗 号化・電子署名・公開鍵の挿入機能を利用することができます。
When non-nil, ask the user about the current operation more verbosely.
署名時に優先的に使用する鍵 ID のリストです。
non-nilの場合、暗号化の際に送信者の鍵 ID を recipient に含めます。 nilの場合、送信者は暗号化した内容を通常は復号できません。
A list of keys’s validities which are used for neither signing nor encrypting.
MIME-Preview バッファで content-button もしくは URL-button に用いる face です。
MIME-preview バッファでマウスをハイライトする際に用いる face です。
URL をブラウズする関数です。
Add condition to database specified by target-type.
target-type must be preview
or action
.
If optional argument mode is strict
or nil
(omitted), condition is added strictly.
If optional argument mode is with-default
, condition
is added with default rule.
If optional argument file is specified, it is loaded when condition is activate.
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